2011年5月24日火曜日

科学史学会での上映(5月29日)

今週末に駒場で開催される日本科学史学会で、上映することになりました。

5月29日(日)の12時10分頃から、12号館1222教室で上映します。
お昼休みにあたるので、お弁当を食べながら見ていただけます。

当日は、映画を上映するだけで、上映後のディスカッションなどは行わない予定です。
アンケート用紙を置いておくので、感想などをご記入いただけたらと思います。

遠方でこれまで機会のなかった方にも、ご覧いただけたら幸いです。


*上映時間について
1時間程度の映画ですが、今回に合わせて50分の短縮ヴァージョンを作成しました。
終了時刻が13時頃となります。13時から午後のプログラムが始まるので、ぎりぎりに
なってしまいますが、よろしくお願いします。
(途中で退室していただいても大丈夫です)

ハワイ大学での上映

4月4日、ハワイ大学歴史学部で主催していただき、上映会を行いました。
日本史や第二次世界大戦の歴史に関心のあるハワイ大関係者が参加してくださり、
上映後は、原爆研究に関係していた日本の物理学者はその倫理的問題をどのように考えていたのか、
ということなど、さまざまな質問をいただきました。

ナチスドイツ史を研究されているManfred Henningsen先生からは、ドイツの
科学者の責任をめぐって、いろいろとご意見をいただきました。
その後いただいたメールを、許可を得たので転載します。

Thank you for alerting me to your documentary. It would be important to follow up on the question whether the physicists in the three countries that were involved in nuclear research, namely the US, Germany and Japan, were ever discussing the ethical issues of what they were doing. I have the impression that they were primarily scientists which didn't care about anything else.
It is also interesting that some of the students in the documentary were talking about your findings in terms of Japanese pride concerning the scientific achievements. I found that disturbing because they didn't seem think about the obvious goal, namely that the Japanese scientists were exactly trying to provide their military with weapons of mass destruction.
In the American case, it played a role that the Nazis were engaged in orchestrating the Holocaust against Jews, though I don't know how much the physicists, many European and American Jews among them, knew about the details at that time.

The question remains for some post-colonialists whether the Americans would have dropped the bombs on German cities. If they had a ready bomb earlier in the war, they would have dropped it on any German city. I think its utterly absurd to say that they dropped them on Japan because of racism. The anti-Nazi sentiments were stronger than anti-Japanese racism in the US at that time.

Again, thanks for a very informative session.


ボーフム大学での上映

昨年11月、記念すべき初の海外上映会を行いました。

初めての海外上映となりましたが、集まったみなさんは真剣に見てくださいました。


日本はドイツはともに第二次世界大戦の敗戦国で、上映後には、ドイツの物理学者と

日本の物理学者の境遇についてや、歴史を残すことに関して様々な議論がなされました。


上映会はボーフム大学で勤務されている永瀬ライマー桂子さんが企画してくださり、

永瀬ライマー桂子さんからも貴重なコメントをいただきました。


上映後、永瀬さんからいただいたメールの一部をご紹介します。


--

うちの学生たちは、とても感動していたようです。こういう映画を学生として中尾さ
んがとった、というのは、大きな刺激になったようです。どうもありがとうございま
した。

その後、耳にした反応には以下のようなものがありました。

・ サイクロトロンが原爆製造にどのような役割を果たしたのか、わからない:ここ
も自分で考えてもらおう、というのが、中尾さんの意図だったのでしょうか?そうで
なければ、サイクロトロンの原爆製造における位置を明確にすると、わかりやすい
と、私も思います。
・ 字幕を読んでいると、場面がかわってしまう:これは、日本語を解さない人に見
てもらうときの問題かと思います。場面転換がはやすぎる、と感じた人がままいまし
た。訳を簡単にするか、シーンを長めにするほうが、外国人には楽なようです。ちな
みに私は、場面転換が早すぎる、とはぜんぜん思いませんでした(日本語できいてい
たからですね)。
・それから、討論中にも音楽についての意見がでましたが、「音楽がメランコリーす
ぎる」と感じた人が結構多かったのです。これは中尾さんの映画が、というより、文
化の違いだと思います。ドイツと日本のニュースを比較しても、日本のニュースのほ
うが効果音を使って、ドラマチックにしたりする場合がだんぜん多いのです。私はド
イツにきたばかりのとき、ちょっと物足りなく感じていましたが、今はこちらに慣れ
てしまって、日本のテレビをみると、大げさに感じられます。

--


サイクロトロンと原爆の関係については、さまざまなレベルで答えることが

できると思うので、見た人に考えてもらいたかったということもあります。
とはいえ、もう少し技術的な解説を加えられたらよかったと思います。

(この点については、いつも上映後にディスカッションになります)

音楽に関しては、ドイツでの上映ならではの感想で、興味深い点でした。

ドイツでは、負の歴史をどのように伝えていくかということについて、

社会的に高い関心が持たれていることを感じました。


(丁度ベルリン滞在中に国立機関で初のヒトラー展が開催されていて、

見にいきましたが、このヒトラー展の是非をめぐっても国内で様々な

議論がなされていたようです。)


2010年10月14日木曜日

エントロピー学会での上映

直前のお知らせになってしまいましたが、上映のお知らせです。

10月15日(金)
「よみがえる京大サイクロトロン」上映+サイクロトロン施設跡見学

詳細はエントロピー学会まで。
http://kansemi.jp/CCP025.html

京都方面の方よかったらご参加ください。


エントロピー学会での上映

10月15日(金)エントロピー学会で「よみがえる京大サイクロトロン」上映+サイクロトロン施設跡見学が予定されています。
http://kansemi.jp/CCP025.html

直前のお知らせになってしまいましたが、京都方面の方よかったらご参加ください。


2009年11月12日木曜日

参考文献の紹介

今週末の会での配布資料のために、参考文献をいくつかまとめたので、アップします。

*京大サイクロトロンに関する文献

トマス・C・スミス「京都帝大サイクロトロンの解体(1945)に関する回想」『日本史研究』 (1997) 12, p.128-140.
竹腰秀邦「台北帝国大学と京都大学における初期の加速器開発と 原子核物理学研究(前編)」日本加速器学会誌』(2007) Vol.3, No.4. p.384-390.
竹腰秀邦「台北帝国大学と京都大学における初期の加速器開発と 原子核物理学研究(後編)日本加速器学会誌』(2007) Vol.4, No.1. p.18-23.
井上信「日本加速器外史」(その1~4)『日本加速器学会誌』(2004-2005) Vol.1, No.2Vol.2, No.2.
塩瀬隆之,林衛,中尾麻伊香「科学技術史の棚卸し:京大サイクロトロンをいまに伝える」日本加速器学会』(2008) Vol.5, No.1. p.70-74.
中尾麻伊香「捨てられた京大サイクロトロンのその後」日本物理学会誌200964巻第6 p.461-462.

*日本の原爆研究に関する文献

志賀富士男編『機密兵器の全貌 わが軍事科学技術の真相と反省(Ⅱ)』興洋社,1952
安田武雄「原子爆弾製造に関する研究の回顧」『原子力工業』1955
山本洋一『日本製原爆の真相』創造陽樹社,1976
読売新聞社編『昭和史の天皇 4』角川文庫,1988
山崎正勝「理研の原子爆弾一つの幻想「完全燃焼」構想」『技術文化論叢』3号(2000)p. 25-32.
山崎正勝「理研の「ウラニウム爆弾」構想 第二次世界大戦期の日本の核兵器研究」科学史研究』2182001
Keiko Nagase-Reimer, Walter Grunden and Masakatsu Yamaszaki “Nuclear Research in Japan during the Second World War,” Historia Scientiarum, 14 (2005):221-240
Walter E. Grunden, Secret Weapons and World War : Japan in the Shadow of Big Science(Lawrence, Kan.: University Press of Kansas, 2005).
中根良平編仁科芳雄往復書簡集3巻,みすず書房,2006-2007

このほかにも追加予定です。

合評会のお知らせ

以前このブログでお知らせした、日野川静枝先生の著書『サイクロトロンから原爆まで― ―核時 代の起源を探る』の合評会が東工大「火ゼミ」で行なわれます。
(*火ゼミとは、東工大の一室を借りて行われている科学史・技術史の研究会で、原則として毎週火曜日の午後に行われているので「火ゼミ」と呼んでいます。参加は自由です。)

日時:11 月 24 日 午後1時20分から
場所:東京工業大学(東京都目黒区大岡山2-12-1)西9号館4階407号室

評者:中尾麻伊香,栗原岳史


サイクロトロンと原爆をめぐって、興味深い議論が展開されることと思います。
平日昼間の開催になりますが、ご都合のつく方はぜひお越しください。