2012年12月31日月曜日

京都大学のいま


久しぶりの投稿になります。今年もほそぼそと上映の機会がありました。

秋には京都大学で活躍中の江間有沙さん(科学技術社会論がご専門)が、
白眉プロジェクトのお仲間と上映会を開催してくださいました。
江間さんからいただいた感想を、一部紹介させていただきます。

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理学の人が最後の、京大内部を歩き回るシーンで
もうこの建物は耐震工事でなくなっちゃったよ、とか説明してくれて
そういう意味でも、本当に貴重な映像だったんだな、と思いました。

京大内は今どこも耐震工事の真っ最中で、モノの引っ越しやら何やらが
いたるところで行われています。その過程で、発掘されるものもあれば
捨てられてしまうものもあったりするのだろうな、と複雑な感じです。

理系の人が多かったというのもありますが、最後のゼミでの発表シーンで
火を使うから火事を起こすとは限らない、という言葉に非常に共感してる人が
多かったです。サイクロトロンは原発のためのものではないのだから
最初、なぜサイクロトロンの話で原発の話になるのか、予想がつかなかったと
言ってる人もいました。そういう意味では、中尾さんのDVDは実験や基礎とかの
ところにいる人にこそ、それをとりまく社会的環境について考えてもらうという意味でも
見てもらうと発見があるのかもしれませんね。

実際に研究をしている現場の先生や学生の意見が全面に出ていて
一般論に陥らない、彼らの言葉、彼らの意見というのが現れていて
非常に、そういう意味でも興味深かったです。
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京大で撮影をしたのが2007年、もう5年前のことになりました。
あのときの建物はもうなくなってしまったのですね。

時を経ると歴史がまた重なり、その見え方も変わってきます。
大震災と原発事故を経て、また新たな映像の見方ができるように思いました。
江間さん、京大のいまを伝えていただきありがとうございました。

これからもほそぼそと上映活動を行なっていけたらと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。