2014年の3月にマーシャル諸島の首都マジュロで上映の機会を得ました。
これまで日本人はマーシャルで、 共に核兵器の被害を受けた者として連帯してきましたが、 一方ではマーシャルを占領したという歴史も持っています。 マーシャルでの『よみがえる京大サイクロトロン』の上映は、 核の犠牲者としてだけではなく、 もっと多様な視点を示すことができるよい機会になるのではないか と、 長年マーシャルの研究をしている中原聖乃さんに上映会を後押しし ていただきました。
マジュロでは、アサンプションという学校で、 ブライアン先生の担当する14〜16歳と16〜 18歳のクラスで2回上映していただきました。 この学校はマジュロでも比較的裕福な家庭の子どもたちが通う 学校で、私が訪れた期間にも、核実験の歴史を追悼する集会や、 科学実験ショーなど、面白い取り組みをたくさんしていました。
映画への学生たちの反応からは、 マーシャルではビキニ環礁で行われた核実験の歴史は教えられていても、 日本での原爆被害がどのようなものであったかについてはあまり伝 えられていないように感じました。上映後には、「サイクロトロンとは何か」「 ウラニウム爆弾とは何か」「原爆の規模は水爆とどれくらい違うのか」など、 具体的な質問を多くいただきました。また、「 核兵器は人道への罪だと思うか」 といったダイレクトな質問をいただきました。
字幕でかつスクリーンが小さめであったこともあり、難しい内容に感じられたようです。それでも最後まで見れくれて質問をしてくれた学生の皆さんに感謝しています。
1 件のコメント:
ご無沙汰しております。以前、日本科学未来館での上映会でご挨拶させて頂いた者です。「京都大学総合博物館 ニュースレター NO.33(2015年3月)」に、荒勝文策氏の「サイクロトロン破壊時の日誌」について書かれているのをみつけましたので、お知らせいたします。既に、ご存じかもしれませんが。荒勝陽子http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/196588/1/kum_033.pdf
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